長崎県忠霊塔敬事会、忠霊塔所蔵の永久保存盤戦没者名簿6万700余の電子化を検討
長崎県忠霊塔敬事会は、長崎県の中核的慰霊施設である長崎忠霊塔に所蔵されている非公開文書「永久保存 長崎県忠霊塔戦没者名簿」約6万700余名分について、電子化に向けた検討を進めていることが分かった。
長崎県忠霊塔には、先の大戦などで尊い命を落とされた長崎県籍の戦没者の御芳名が、永久保存盤として厳重に保管されている。これらの名簿は、長年にわたり慰霊と平和継承の象徴として大切に保管されてきた一方、物理的な保存による経年劣化等の課題が危惧されていた。
今回検討されている電子化は、「長崎県忠霊塔戦没者名簿電子化事業」とし、名簿情報をデジタルデータとして保存することで、遺族の方への照会の向上を目指し、将来世代への確実な継承を図るとともに、災害時などにおける資料消失リスクを軽減することを目的としている。また、電子化により、関係者や遺族がより安全かつ適切な形で名簿に触れる機会の創出も期待されている。
敬事会は「この文書に記されてる戦没者お一人おひとりの御名前は、かけがえのない歴史そのもの。電子化は利便性向上の面もあるが、戦没者の尊厳を守り、後世へ確実に伝えるための手段として慎重に検討している」としている。
今後は、電子化の具体的な方法や公開範囲、個人情報・尊厳への配慮、運用体制などについて、関係団体と協議を重ねながら検討を進める方針だ。
長崎県忠霊塔を拠点とした慰霊と平和への取り組みは、単なる記録保存にとどまらず、戦争の記憶を風化させないための社会的役割として、今後も注目される。